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外貿コンテナの内航フィーダー輸送は、陸上のトラック輸送に比べて発着港湾での荷役と港湾とコンテナの発着地間の横もち輸送が必要であるため、総輸送距離がある程度長くないとコスト面でトラック輸送に対抗できない。水島港〜神戸港間の陸上矩難は約190?であり、これくらいの距離と120TEU積みの台船が週3便運航できる程度の輸送需要が内航フィーダー輸送を成立させるためには必要と考えられる。

図5−3 水島港〜神戸港の海上輸送及び陸上輪送

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ヒアリングによると、上記の区間の陸上輪送費用は20フィートコンテナ1本当たりで海上の内航フィーダー輸送よりも5%程度高い。輸送所要時間は海上輪送のほうが長いが、コスト面では海上輪送のほうが有利となっている。時間の点ではトラックは早く到着するが、海上輪送の方が定時性の点で確実性が高い。
しかし、輸送距離がより短くなれば、海上犬量輸送のメリットが減殺されるため、コスト面でも利便性の面でもトラック輸送の方が有利になると考えられる。
水島〜大阪港・神戸港の内航フィーダー輸送における問題点は、利便性や所要時間の点でトラックに劣る内航輸送の唯一の競争ポイントである「低コスト性」の維持である。現在では、トラック輸送の費用が海上輪送の費用を上回っているため、陸上から海上へのシフトが進んでいる。
また、内航フィーダー船・専用バースが使用できない場合は、着岸バースの空き待ちなどが生じ、定時性の確保が難しくなる点も問題としてあげられている。

 

 

 

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